○南山城村土採取事業の規制に関する条例
平成4年9月28日
条例第16号
(目的)
第1条 この条例は、土を採取する事業(以下「土採取事業」という。)について必要な規制を行うことにより、土採取事業に伴う災害を防止するとともに採取跡地について緑化等による適正な整備をはかりもつて住民の福祉の増進に寄与することを目的として必要な事項を定めるものとする。
(1) 土採取事業 一定の利用目的をもつて土を掘削し、土を他に移動する事業及び単なる土の掘削又は切り取り等で災害の発生等につながると認められるものとする。
(2) 事業区域 事業を施行する土地の区域をいう。
(3) 事業主 事業を施行する土地の所有者、管理者又は占有者のいずれかの者で、当該土地の管理を主体的に行つていると認められる者をいう。
(4) 事業施行者 事業を施行する者をいう。
(1) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第80条第1項の規定による許可に係る土採取事業
(2) 採石法(昭和25年法律第291号)第33条の規定による認可に係る採取計画に従つて行う岩石の採取に伴う土採取事業
(3) 森林法(昭和26年法律第249号)第10条の2、第34条第2項(同法第44条において準用する場合を含む。)の規定による許可に係る土採取事業
(4) 道路法(昭和27年法律第180号)第91条第1項の規定による許可に係る土採取事業
(5) 河川法(昭和39年法律第167号)第25条、第27条第1項、第55条第1項又は第57条第1項の規定による許可に係る土採取事業
(6) 砂利採取法(昭和43年法律第74号)第16条の規定による認可に係る採取計画に従つて行う砂利の採取に伴う土採取事業
(7) 国及び地方公共団体その他規則で定める公共的団体が行う土採取事業
(8) 農業、林業の用に供する土採取事業で規則で定めるもの
(9) 非常災害のため必要な応急措置として行う土採取事業
(10) 前各号に掲げるもののほか規則で定める土採取事業
(事業主及び事業施行者の責務)
第4条 事業主及び事業施行者(以下「事業主等」という。)は、事業を施行するに当たつては、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
(1) 事業区域の周辺地域における道路、水路及び橋りよう等の破損防止
(2) 事業区域及びその周辺に対する溢水防止
(3) 土砂の崩壊又は流出の防止
(4) 事業施行の際の安全対策、公害防止及び環境の保全
(5) 事業区域の跡地の適正な整備を図るため、緑化等必要な事業
2 事業主等は、事業により公共施設を破損した場合は、速やかに村の指導により原状回復しなければならない。
3 事業主等は、当該事業の施行に係る苦情あるいは紛争が生じたときは、誠意をもつてその解決に当たらなければならない。
(土地所有者の責務)
第5条 採取場の土地の所有者は、事業主等が前条の規定により講ずる措置に協力するよう努めなければならない。
(事前協議)
第6条 この条例の適用を受ける事業行為を行おうとする事業主等は、あらかじめ事業計画について村長と事前に協議しなければならない。
2 前項の協議をしようとする事業主等は、規則で定めるところにより、村長に提出するものとする。
(協定)
第7条 事業主等は、村長と第1条の目的を達成するため必要と認める事項について協定を結ばなければならない。
(事業の許可等)
第8条 事業主等は、事業開始前に、規則の定めるところにより、当該事業について村長の許可を受けなければならない。
3 村長は、第1項の許可に、条件を付することができる。
(事業の開始)
第9条 事業主等は、第8条第1項の規定による許可を受けた事業を開始しようとするときは、事業開始前に規則で定めるところにより、村長に届出をしなければならない。
(施行基準の遵守)
第10条 事業主等は、事業を施行するに当たつては、別表で定める採取計画基準を遵守しなければならない。
(事業内容等の変更)
第12条 事業主等は、事業内容、事業区域その他許可申請の内容を変更しようとするときは、あらかじめ村長の許可を受けなければならない。
(名義貸しの禁止)
第13条 第8条の許可を受けた事業主等は、自己の名義をもつて他人に事業を行わせてはならない。
(改善命令)
第16条 村長は、事業主等が前条の規定による勧告に従わないときは、期限を定めて必要な措置を命ずることができる。
第17条 削除
(事業の完了)
第18条 事業主等は、当該事業が完了したときは、その日から7日以内に村長に完了報告書を提出し、確認を受けなければならない。
(報告の聴取)
第19条 村長は、この条例の施行に必要な限度において、事業主等に対し、事業の進行状況その他必要な事項を報告させることができる。
(立入検査)
第20条 村長は、この条例の施行に必要な限度において、その職員に事業区域に立ち入り、施設その他物件を検査させ、又は関係人に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
(標識の設置)
第21条 事業主等は、事業の施行期間中、事業区域に規則で定める標識を設置しなければならない。
(罰則)
第23条 次の各号の一に該当する事業主等は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
(1) 第8条第1項の規定による許可を受けないで事業を行つた事業主等
(2) 第12条第1項の規定による許可を受けないで、許可に係る事業内容などを変更して事業を行つた事業主等
2 次の各号の一に該当する事業主等は、3万円以下の罰金に処する。
(1) 第9条の規定による届出をせずに事業を開始し、又は虚偽の届出をした事業主等
(3) 第20条第1項の規定による立ち入りあるいは検査をこばみ、妨げ、又は忌避した事業主等
(4) 第21条の規定による標識を設置しなかつた事業主等
(委任)
第25条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成4年10月1日から施行する。
附則(平成9年条例第1号)抄
(施行期日)
1 この条例は、平成9年4月1日から施行する。
別表(条例第10条)施行基準
1 掘削
(1) 採取工法
(ア) 採取工法は、階段式工法で行い、「エグリ掘り」は行わないこと。
(イ) 隣接地との保安距離は、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ保安距離をとること。
ア) 隣接地に宅地、国道、府道、村道及び農道並びに鉄塔の敷地がある場合10メートル以上
イ) 隣接地に家屋等の建物がある場合、当該建物の軒下から20メートル以上
ウ) その他の場合5メートル以上
(2) 法面、切土
「砂防指定地及び地すべり防止区域内における宅地造成等の大規模開発審査基準」(昭和63年建設省河川局砂防課長通達)による。
(3) 深さ
掘削の深さは、掘削する場所の周囲の土地の最も低い部分よりも低くしないものとする。
2 災害防止
(1) 崩壊防止対策
(ア) 地山の亀裂、陥没等の異常の有無及び含水、ゆう水の状態を絶えず監視するとともに、計画的採取に努めること。
(イ) 一日の作業終了時に落石、倒木のおそれのある浮石や立木がある場合は、その日のうちに除去すること。
(ウ) 気象状況に絶えず留意し、気象状態の悪化が予想される場合は、作業の中止、危険箇所の保全処置等適切な措置を講ずること。
(2) 土砂流出対策
採取中、集中豪雨その他の原因で土砂が付近に流出しないよう、土俵積、土盛堤、柵等の仮設工事を行い完了後も土砂流出のおそれがある場合は、擁壁、堰堤その他これに代わり得る施設を築造し、土砂の流出に対処すること。
(3) 排水施設
(ア) 採取中、表水面によつて法面が洗掘され、又は崩壊するおそれのある場合は、法肩に接する地山に沿つて素掘側溝、コンクリートトラフ等による排水溝を設置し、地山からの流水が法面に流れ込まないよう処置すること。また、完了後は法肩線又は小段に集排水施設を設け、縦排水溝、斜排水溝及びその接合点には集排水桝等も考慮して円滑に排水すること。
(イ) ゆう水によつて法面が洗掘され、又は崩壊するおそれのある場合は、水抜きのための水平孔、暗渠等を設置してゆう水の排除措置を講ずること。
(4) 採取跡地の保全、利用
(ア) 採取行為を完了し、又は廃止したときは跡地の崩壊を防止するため法面には、保護工を施工すること。
(イ) 採取跡地の利用計画は、周辺の環境と調和するよう配慮すること。
3 公害保安対策
(1) 立入禁止柵
(ア) 塀の高さ120センチメートル
(イ) 杭の間隔180センチメートル以内
(2) 粉じん対策
採取場からの粉じん、運搬路から生ずるホコリ等が周辺の生活環境を阻害しないよう散水、防じん材散布及び運搬車両の洗い場を設置する等適切な措置をとること。
(3) 交通対策
(ア) 運搬車の公道への出入口等必要な箇所には、交通整理員を配置し安全上の配慮をすること。
(イ) 積込場所において規定積載量を超えないよう留意するとともに、車両には必ず全面シートを装置し、路面を汚損したときは速やかに清掃すること。
(4) 表示板
(ア) 事業表示板の掲示位置は、事業場入口とする。大きさ、記載事項は様式第15号によるものとする。
(イ) 危険防止表示板の掲示位置は、事業所の周囲30メートル間隔とする。大きさ、記載事項は様式第15号によるものとする。
4 緑の保護緑化対策
(ア) 樹林のうち、景観上その他の見地から重要と思われるものについては、極力その部分又は一部の保存を図ること。
(イ) 採取跡地の法面については、原則として緑化することとし、周辺の状況、掘削前の状態を考慮して次のとおり植樹、植草等を行うこと。
ア) 採取に当たり、山林の一部を伐採し付近の景観を悪化させた場合は、植樹、植草を併用して行い緑の復元を図るものとする。
イ) 前記以外の場合は、植草、種子吹付を行うものとすること。